「答えは子どもの中にある」

2017・2・16  
近藤 瑠美子  


 

 早いものでとうとうと2月になりました。

1月行く、2月逃げる、3月去るといわれるように、3学期は駆け足で過ぎていくように感じます。この短い2月に幼稚園は節分、森の幼稚園、参観、懇談、お別れ会などいろいろな計画がありましたがインフルエンザにも見舞われ、少々焦り気分になってしまいました。

日本列島にインフルエンザが大流行し、近くの小学校でも流行っていると聞いていましたが、幼稚園でも大流行して、たんぽぽ組の半数がお休みとなりました。30余年の保育者生活の中で二度目の学級閉鎖をすることになりましたが、早く対応したので二次感染を防ぐことができ、今はみんな元気に登園しています。学級閉鎖を保健所に届けると、翌日の新聞に掲載され、新聞を見た人から、「大丈夫ですか?」「馬場幼稚園、インフルエンザでたいへんだって?」と声をかけられ報道力ってすごいと思いました。

 

 暦では立春を迎えましたが、外はまだまだ小雪が舞う冬真っ只中です。昨年の暮れに、つぼみのいっぱいあるシクラメンを2鉢買いました。寒い中でもその蕾が次々と花開き、今も楽しませてくれています。

寒さの中でも自然界はゆっくり春の支度をしていることを感ずるようになり、命の息吹に心が少しずつ浮き立つのを感じます。

先日、幼稚園の帰りにお花屋でカサブランカを買って、シクラメンの鉢の横に飾りました。凛として存在感のあるカサブランカは、ゆりの中でも最も華やかで気品がある花です。大輪の純白の極みあるカサブランカはゆりの女王で、私の大好きな花であり、父を思う大切な花でもあります。父は毎年秋にカサブランカの球根を取り寄せ、鉢に植え開花を心待ちしていました。土を用意し、水をやり、霜にあたらないように心配しながら、開花を待つのは私のように、切り花を買って愛でるのとは喜びの度合いが違うように思います。花瓶の花は風が吹くと倒れそうになりますが、土にしっかり根を張った球根は、風にも倒れることなく、ゆっくりと花を咲かす準備をしています。硬い蕾からあの美しい花が咲くことを心待ちするのは、子育てと似ているように感じます。

 

私は15年間専業主婦で3人の子育てをしてきました。幼稚園通いは10年、お弁当作りは15年、病院通いは数えることができないほどあります。お母さんたちが今経験している幼児期の子育てというのは、わずかな時間で通過してみると辛さよりも温かな気持ちになる時間だったように思います。

 

最近、各クラスのお母さんたちと懇談をしていますが、年長組のお母さんが最後だからとたくさん話に来てくれ、子どもの成長を一緒に喜んだり、私の子育て失敗談を話したり、お母さんの社会復帰について、時間を忘れておしゃべりしています。

お母さんとの話し合いの中で悩んでいることの答えが見つかったり、いろいろ話されるお母さんを見て、私もママ友に出会い、たくさん助けてもらったことを思い出したりしています。いつも思うのですが育児書に書いてあることより、先輩ママの体験談の方が生々しくて参考になったりするから、困ったときに話せるママ友の存在を大事にすることをお勧めしています。
 子育ては正解が見つかりにくいものです。場合によってはなかったりして・・・。いろいろ試しているうちに解決しているからです。困ったことがあると、どうしようか子どもの様子をよく見ながら、どうやって関わろうかと考えたりします。それは「答えは子どもの中にある」からです。私たちの保育も計画を立てるときに、まず、一番大切なのはその時の子どもの育とうとしていることは何かを見ますそこに合わせて計画を立てていかないと大人の都合保育になってしまうからです。
 ところが母と子は一心同体の近い存在で、近すぎるからこそ、子どもの良いところも良くないところも見えなくなることがあります。そして冷静に関わっていられなくなったりすることもあると思います何年か前に、あるお母さんから「家で毎日毎日子どもたちが兄弟げんかをするので、それを止め解決することに疲れきってしまいました。」という相談がありました。兄弟姉妹は遠慮なく思いをぶつけ合うことのできる相手ですから、自分たちで円満解決するのを待っていてもなかなかけんかは止まらないのです。それどころか、最後は下の子が泣いて上の子を叱る・・・といったことが多くなってしまいますそして上の子を叱ってしまった自分を反省したり・・・。 ほんとうに疲れくたくたになってしまいます。

子育てにどっぷり浸かっているときには肯定的にとらえることが難しいことが、少し離れると見えてくることがあります。けんかがいいとは言いませんが、人間関係の練習をしていると思えば、「しばらくこのままでもいいか」としばらく子どもの様子を見たり、ジュースを用意しクールダウンさせたり、両成敗して反省させたり、その時々にできる対処法でよいと思います。子どもは体験の中で育っているからです。

 

幼稚園でも子どもたちはたくさんのいざこざや葛藤を体験しながら、自分を主張し友だちとぶつかり合い「正しいと思って主張したけれど、そうでもないことがあるんだ!」「友だちといっしょに生活するためには、していけないことがあるのだ。」など、子ども自身が自分と他人との違いを感じながら学んでいるように思います。子どもが人間として少しずつ成長するそばでゆっくり見ていることができるこの時期に「答えは子どもの中にある」ことを信じ、子育てを楽しんでほしいと思います

 

花1つとっても手間暇をかけて育てることで、育てるもの自身が多くの感動を受けて育てられることに気づかされます。

つぼみ 
      1あんなちいさな         

      つぼみの中に           

      お花たたんで           

      いれてあるの           

 

    2だれがたたむの

お花たたむの

春のおしたく

誰がするの

 

3歳児の担任をしていたころ、お庭のこぶしの花を見ながら、この賛美歌を歌いながら春を待ったことを懐かしく思い出します。そんな子どもたちも今は49歳くらいになっていますが、この時期になると幼い日の一人ひとりの顔がよみがえり、彼らは幼い日の想い出をどのように映し、どんな人生を歩んでいるのかと考えています。

私は子どもとともに歩んで30数年になりますが、その間、子どもに何を教えるか、何をやらせるかより「大丈夫だよ。自分の思ったとおりやっていいんだよ。」という安心感、安定感を与える体験が大きな財産になると思い、子どもたちに接してきました。

「子どもを愛することにおいて、親に勝るものはない」と言われるように、親にとって子どもは生きる心の支えであることが少なくありません。しかし、親の生きがいのために子どもを自分のおもいどおりに育てて、自己満足する思いが強すぎてはならないと思います。子どもはいつか自立して、やがて親のそばから離れていきます。子どもが自信に満ち、その子らしく生きていく姿に親は心から声援を送りたいと思います。そのために親も自立し、周りの人と心を通わせて生きるよろこびを感じ、成長する努力をしたいと思います。進級、進学、それぞれの春はもう少し先ですが、希望を持って待ちたいと思います。







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